書類の電子化が進む中、「電子印鑑(デジタル印)」の活用が注目を集めています。特にMacユーザーであれば、特別なソフトを使わなくても、簡単に自分専用の電子印鑑を作成・活用することが可能です。
今回は、Macだけでできる電子印鑑の作り方と使い方を初心者にも分かりやすく解説します。
電子印鑑とは?
電子印鑑とは、紙に押す「物理的な印鑑」ではなく、デジタル上の書類に貼り付けて使用する「画像化された印鑑」です。ビジネスメールの添付書類やPDFに印鑑画像を貼ることで、確認や承認の意思を示すことができます。
印影の画像を活用する方法が主流で、形式はPNG(背景透明)で作成するのが一般的です。
Macで電子印鑑を作成する方法
Macでは、標準アプリ「プレビュー」と「Pages(もしくはKeynote)」を使えば、無料で見栄えのよい印鑑を作ることができます。
方法①:PagesやKeynoteで自作する
- PagesまたはKeynoteを開く
- 図形ツールで赤い丸を作る(楕円→Shift押しながら)
- テキストボックスを追加し、名前(姓だけでも可)を縦書き or ゴシック体で入力
- フォントは「ヒラギノ角ゴ」「游ゴシック」などがおすすめ
- 色を赤色に変更し、丸の中にバランスよく配置
- すべてを選択し、「グループ化」
- 「ファイル」→「書き出す」→「画像(PNG形式)」で保存(背景透過を選択)
方法②:既製フォーマットを使う
「電子印鑑 フリー素材」などで検索し、透過PNG形式の印鑑をダウンロードして名前部分を編集する方法もあります。ただし商用利用の可否に注意してください。
プレビューでの貼り付け方法
作成した印鑑は、PDFファイルに簡単に貼り付けることができます。Macに標準搭載されている「プレビュー」アプリを使えばOKです。
- プレビューでPDFを開く
- ツールバーの「マークアップ」ボタンをクリック
- 「画像挿入」から作成した電子印鑑(PNG)を選択
- 好きな場所にドラッグ&ドロップで配置
- サイズ調整や位置調整も可能
PDFとして上書き保存または別名保存すれば完了です。
署名との併用も可能
「プレビュー」では、Trackpadやカメラを使った「署名」機能も利用可能です。印鑑と署名を両方入れることで、より信頼性のある書類に仕上がります。
・ツール → 注釈 → 署名 → 新規署名の作成
・作成した署名をPDF内にドラッグして配置
iCloud Driveで複数端末に共有
作成した電子印鑑画像は、iCloud Driveに保存しておけば、iPhoneやiPadなど他のAppleデバイスでもすぐに使えます。PagesやNumbersなどのアプリでも、同じようにスタンプ的に利用可能です。
また、ファイル名を「電子印鑑.png」などにしておくと、Spotlight検索でも素早く呼び出せます。
セキュリティには注意を
便利な電子印鑑ですが、簡単にコピーできてしまうため、不正使用のリスクもあります。
- 誰と共有するかを明確にする
- 認証付きPDF(パスワード付き)で管理する
- 不特定多数がアクセスするPC上では使わない
など、最低限のセキュリティ対策を講じておくと安心です。
まとめ:Macだけで完結できるスマートな印鑑運用
Macユーザーであれば、特別なソフトを使わずとも、高品質な電子印鑑を簡単に作成・活用することができます。業務効率化だけでなく、ペーパーレスの推進にもつながるこの機能、ぜひ活用してみてください。
「紙からデジタルへ」の第一歩として、Macでの電子印鑑作成を取り入れてみましょう。